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生産性向上を拒み税金を貪るおじさんたち

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深刻な赤字が続く北海道旭川市の市立旭川病院(478床)の経営再建策の一環として、市は医師や看護師ら医療従事者の給与削減を近く労働組合に提案する方針を固めた。

 

要するに市立旭川病院の幹部たちは経営不振を現場の職員に押しつけているわけなんですね。

 

これに対する医療従事者の反応は非常に厳しいもので、病院幹部を擁護する声はざっと見る限り見当たりません。

 

 

 

このケースは病院ということで一見すると特殊な業界における話のようですが、おじさん事務職たちが利権を守ろうとしているという日本社会全体にある問題の縮図でもあります。

 

 

 

 

 

 

医療従事者の給与削減という愚策

 

この市立旭川病院におけるケースでは、医療従事者に限定して給料を下げるという点にまず着目しましょう。

 

現場のソルジャーたちの給料が下げられて、人事部とか総務部とかそのへんの部署は全く関係ないんですね。

 

医療従事者の待遇を悪くすると逃げる人がどんどん出るぞという声がありますが、逃げる逃げる詐欺ではなく医療従事者は本当に逃げることが可能です。

 

資格職なので転職も容易ですし、仕事をやめている時期があっても再び働くのが容易です。

 

女性が出産や育児でいったん働くのをやめてしまうと一般企業では仕事を再び得るのに苦労するのに対して、医療従事者は簡単に復帰することができます。

 

一方で病院で直接患者に接することがまずない事務職たちには特殊なスキルが全くありません。

 

特に公立病院なんかで出世するのに能力は関係ありません。

 

コネと政治力がモノを言う世界なんですよね。

 

彼らは定年まで病院にしがみつくのが食い扶持を得るための唯一の手段で、その感覚で医療従事者に対してナタを振るうのは愚策です。

 

少々待遇が悪くなっても医療従事者が引き続き働いてくれるだろうというのは大間違いです。

 

 

解決策は病院の集約化だが

 

そもそもこの病院が赤字に苦しんでいる原因の1つとして、同じような病院が乱立していることにあります。

 

 

すぐ近くに同じような規模の病院が2つもあるんですよね。

 

グーグルマップで見れば明らかなんですが、これら3つの病院は最も離れているところでも3km程度しか離れていません。

 

さらには、旭川医科大学病院(602床)が市立旭川病院から10km以内の距離のところにあります。

 

ちなみに、旭川市の人口は34万人程度。

 

どの程度の病院の規模や数が適切なのかは医療経済の専門家ではないのでコレ以上は掘り進めませんが、医師をやっていると明らかに病院が乱立しておりさっさと集約化すべきところという感覚があります。

 

実際に集約の必要性に賛同の意を表明する医師が現れているんですよね。

 

 

 

 

集約化しないと何がマズイかというと、単純に非効率的で医療従事者のマンパワーをフルに生かせないんですよね。

 

 

 

 

医療は24時間ですからいつ患者の急変があるかわかりません。

 

そんな中で人材を分散して配置すれば多くの人間がダラダラと夜間も待機し続けるブラックな状況になりがちです。

 

徒歩圏内にある3つの総合病院を1つにまとめてしまえば、救急外来の患者や病棟の急変患者に対応するための現場スタッフはシフトを組んで働けるので、効率的ですし労働環境も良くなります。

 

 

集約化に反対する抵抗勢力

 

病院を集約化していったい誰が困るのか。

 

それは現場の医療従事者ではありません。

 

まず1つには事務のおじさんたちが挙げられます。

 

彼らには何のスキルもなくただ年功序列で高給を得ているわけなので、よそに移っても給料が下がらないどころか上がる可能性もある医療従事者とは全然違うわけですよ。

 

死んでも彼らは今のポジションを離しません。

 

公立病院の総合職で雇われていたおじさんを一体どこが高待遇で雇うのでしょうか。そんなところあるわけがありません。

 

3つあった組織を1つに集約化するということは特に事務処理が一元化されるわけですから、必要な人数が減ります。

 

それだけおじさんたちが路頭に迷うことになります。

 

「地域に必要な病院だから残さなければならない」とかもっともらしい理由を述べて自己保身に励むのは明らか。

 

 

結局の所、彼らは自己保身のために現場に働いている医療従事者から搾り取っているわけなんです。

 

特に、今回の件のような公立病院であれば生産性向上を要求されることがあまりなく税金がジャブジャブ投入されているでしょうから、彼らは税金を貪っていると言ってもいいでしょう。

 

また病院が直接雇用している人たちだけが既得権益者ではありません。

 

病院は地元の色々な企業と契約しているんですよね。

 

 

で、田舎にありがちなことですが、コネでゴニョゴニョということもあり得るわけです。

 

税金に群がっているハイエナどもは病院の中だけではありません。

 

彼らも病院の集約化には反対する立場を取ります。

 

そもそも論として、普通の田舎には碌な産業がなくて病院とその周囲の会社が雇用のかなりの割合を担っているという側面もあります。

 

3つの病院を1つにまとめることなんてしたら失業者が続出するわけですから、医療従事者以外は集約化に反対するのは当たり前。

 

その結果、医療従事者の労働環境がブラックになろうがな~んとも思っちゃいません。

 

他人の健康より自分の金です。

 

税金をジャブジャブして雇用創出しているという意味では、公立病院は公共事業とも言えます。

 

しかし、土建屋たちは治水工事や道路を作るなど確実に私達の生活を豊かにしていますが、病院関係で利権を貪るおじさんたちは非効率を維持することでお金を得ており大きな違いです。

 

道に大穴を掘ってお金をもらっているようなもので、土建屋と比べるのも失礼です。

 

まあ、旭川市民ではないので、これからの成り行きを高みの見物といきたいところですが、残念ながら他の地方にもありうることなので笑えないんですよね。