【受験勉強】東大理三現役合格者が模試で某科目一桁順位を取った方法
使った問題集など細かいところは置いといて、汎用性のある勉強法について語ります。
興味深いことに、世界的プロゲーマーである梅原大吾さんのゲーム訓練法にも通じるものがあるなと書いてて思いました。
自分の受験生時代は、模試において某科目で一桁順位取ることができました。
難問も簡単な問題が集まったもの
大学受験では出題できる範囲が限られています。
いくら凝った問題を作ろうと思っても、高校生が習う範囲から出すことしかできないのですから、受験問題もそこから出すしかありません。
となると、必然的に出題される問題は簡単な問題を組み合わせたものとなります。
高校生が習うものを仮にアルファベットで表現します。A、B、C、D……のように。
簡単な問題 A
難しい問題 A+B+C
というふうに構成されています。
資格試験でも同じことが言えるでしょう。
出題できる範囲は最初から決まっているので突拍子もない問題が降ってくることはほとんどありませんし、そんな問題は誰も解けないためそこで差がつくことはありません。
難問も基礎の組み合わせからできていることを忘れてはいけません。
簡単な問題をひたすら繰り返す
自分の勉強法で意識したことは、まず簡単な問題を解けるようにしたことです。
中には身の丈にあっていない難問から手を付けて自滅する受験生もいますが、簡単な問題から学習していくのは一般的な勉強法です。
ここから先が普通の勉強法とは違うのですが、ただ問題を解けるの段階で終わって次のステップに進むのではなく、簡単な問題を「瞬殺」できるまで繰り返していきます。
解けない問題の場合は、模範解答を見てそれで終わるのではなく、目を通してすぐに紙に解答を書いていきます。
そこで詰まってしまうようではダメで、写経のようにスラスラと模範解答をトレースできるようにするのが目標です。
答えそのものは同じで模範解答とやり方が違った場合でも模範解答を覚えていきます。
同じ問題でも解き方は色々ありえるから自分のやり方でできていたらOKというわけにはいきません。
最終目標は合格することであって、目の前の問題が解けるかどうかではないのです。
問題集の作成者は人が作っているわけですから何かしら意図を持って問題を作っています。
その意図は、問題を通してAという要素を学んでほしい、ということです。
そこで我流の解き方で正答を出すことができてもあまり意味がありません。
Aを身につけることができなければ、A+B+Cの難問に答えを出すことができず入試本番でコケてしまうからです。
問題をひたすら瞬殺しなければならない理由
仮に解答できるレベルであっても、瞬殺できるレベルまで上げなければなりません。
理由は複数あって
- 入試には時間制限がある
- 本番と練習では違う
- 複合型の問題と気づけなければならない
- 変化型にも対応できるように
- 脳のリソースを残しておけるように
このようなものがあります。
入試本番には時間制限があるのは当たり前のことですね。
考えたら解けるじゃ受かりません。制限時間内に片付けなければなりません。
本番で力を出せるかどうかも普段の積み重ねが重要です。
頭を使えば解けるのと半ば無意識に解けるのとでは大違いです。
複合型の問題とはA+B+Cのことです。
問題文を見てAの要素が含まれていることを見抜くためには、Aを繰り返し練習していく必要があります。
A単独の問題文を見て、AかなDかなEかな、と考えているようではダメです。すぐにAとわからないと複合型に対応できません。
また、Aの問題をそのまま出すと簡単すぎて受験生の間で差がつかなくなるため、ちょっとひねった変化型を出してくることもあります。便宜的に変化型をA'、A''とあらわします。
変化型に対応するにもAを見慣れるまで繰り返すことが重要です。
人の顔と同じです。
我々日本人がアジア系の人の顔を区別するのと黒人系の人の顔を区別するのとどっちが簡単かということです。
普段から見慣れているから区別できるのであって、見慣れていなかったら「よくわからん」となるだけです。
逆に黒人系の人から見たらアジア人の顔はよくわからん、となってしまうはずです。
話を戻すと、実は難問というのは純粋なA+B+Cとは限らないんですね。最初の方は説明の都合上そうしましたが。
難しい問題 A+B''+C'
となっているのが本当のところです。
最後に、脳のリソースを残しておくことについてですが、問題文を見ても要素に分解できないようなものに対応する時に必須です。
実際に例を挙げます。
2003年東大理系数学の問題です。
「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」
パッと見て要素に分解して対応できるものではありません。
このような思考力が問われる場面になった時に脳みそに残っているリソースが重要になります。
それまでは思考力を温存しておくわけです。
そもそも思考力というあやふやなものにできるだけ頼らずに入試に臨みましょう。
東大理三(医学部)ならともかく、理一理二(医学部以外の理系学部)の合格点に届くだけなら思考力なんてものは必要ありません。*1
パターン認識で対応できますし、思考力をあてにしないほうが点数が安定するでしょう。
色々理由を挙げましたが、とにかく瞬殺です。
問題を瞬殺できるまでやるとなると何度も繰り返していく必要があり、一見すると時間がかかって大変そうです。
しかし、実際には時間は思ったほどかかりません。
例えば、最初やったときは1時間かかっていたものが、2回目には30分でできるようになり、繰り返すうちに10分でこなせるようになります。
トータルで見ればさほど時間はかかりません。急がば回れです。
現代文の重要性
文系理系問わず現代文は非常に重要です。
現代文以外の科目においても問題文をみてAの要素があると見抜けなければ解くことができません。
特に、A'やA''の変化型になると読解力が問われてきますので、現代文の勉強は不可欠なのです。
大学によって、問題文が短文だったり、東大のように無駄に長文だったり色々ですが、長文タイプの大学入試では特に重要です。
現代文の勉強法
現代文の勉強法は、まず自分で参考書を買うことからスタートです。
他の科目は、高校で購入している参考書や問題集である程度勉強できますが、現代文ではそうはいきません。
なぜなら、学校教育において国語の科目で学習しても入試で必要な読解力を直接養うことにはつながらないからです。
筆者の気持ちを考えようとか、読書感想文を書こうとか、読解力を身につける上では最悪です。
筆者の気持ちなんて、「締切ヤバイ」とか「ラーメン食いたい」とか何でもありです。
ある文章を見た時に、色々な可能性が考えられると膨らませていくのが学校教育です。
膨らませるのではなく、この文章だとこの解釈が一番妥当と判断できる能力こそ入試で必要な読解力です。
学校で学ぶこととは異なるため、参考書を使って解き方を覚えるようにします。
模範解答を自分の体に染み込ませていくのです。
問題の解き方という、スポーツで言うところのフォームをゼロから身につけていきます。
そして、そのフォームに違和感を感じなくなるまで繰り返していきます。
問題文を正しく、そして早く理解するために現代文の勉強は重要なのです。
二次試験に出ないとかそういった理由で勉強しないのはもったいないことです。
ちなみに、医学部受験生にとって鬼門となりがちなセンター現代文ですが、ちゃんと勉強すれば9割取れます。
読解力をきちんと身につけて、頻出単語(止揚とか演繹とか)を覚えておけばOKです。
同じ国語でも、古文や漢文は他の科目に結びつかないのでそれなりの勉強量で問題ありません。
梅原大吾さんとの共通点
ここまで自分の勉強法を述べてきましたが、梅原大吾さんが彼の著書で語っていたゲームの訓練法と通じるものがあるなと思いました。
彼は他のプレイヤーより基礎を重視して、納得が行くまで基本動作を繰り返して試行錯誤していくそうです。
流れの中のプレイであっても1つ1つの基本動作に分解してそれぞれを練習していくと。
彼が意識しているポイントは、「正確さ」「速さ」「なるべく少ない力で行うこと」の3つです。
まさに、受験勉強で問題を瞬殺していくことと同じです。
また、彼は安易な方法で勝とうとはしません。
成長することを目の前の勝負より重要視するため、強いキャラや強い技ばかりを使わないそうです。
彼が専門にしている格闘ゲームではどうしてもゲームバランスで強い弱いが生じてしまうわけですが、彼はキャラや技の強さに頼って目の前の勝ちを取るのではなく自分自身の強さを追求しているわけです。
受験勉強でも、鮮やかな別解があるからといってそれに頼ってはいけません。
自分自身の力を上げるために、基礎と言える模範解答を身に着けなければならないのです。
高校の定期試験においても安易な道に逃げてはいけないのは一緒です。
模試と違って定期試験では学校で勉強したことがそのまま出題されるので、丸暗記すれば簡単に点を取ることができます。
しかし、時間はかかってもきちんと理解して勉強しなければ先に繋がりません。
丸暗記すると、理解できていないものまで正解できてしまうため、わからないことが明らかになりません。
わからないことがわからないままで入試本番を迎えて、その穴を突かれてしまうと解けないばかりか動揺してしまう可能性もあります。
最終的に目指すのは何か。
目の前の正解ではなく、入試本番で合格点を取り切ることです。
最後に、梅原大吾さんの著書はビジネスの業界の勝負においても通じる本として高く評価されています。
お時間のある方は読んでみてはいかがでしょうか。