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【資産を築けなければゴミ】ベーシックインカムで貧富の差はなくならない

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ベーシックインカムとは、国が生活するのに最低限必要なお金を全国民に配るというものです。

 

格差是正の対策になるのではと期待している人もいますが、残念ながらそうはいきません。

 

格差は自然に大きくなるものなのです。

 

金がなくなったらよこせと国に訴えるのも1つの手でしょうが、確実にもらえる保障はないことを考えると自分で資産を作らねばなりません。

 

 

 

 

 

資本は下から上へ流れる

 

お金を稼ぐ方法にはざっくりと分けて、自分自身が頭を使うなり体を使うなりして稼ぐ方法と、資本から得る方法です。

 

前者は畑を耕して農産物を売ったり、工業製品を作ったりすること。

 

後者は債権や株式を保有してお金を得ること。

 

両者を対比して労働者と資本家と表現されます。

 

ここで、経済学者ピケティが出した不等式があります。

 

r>g

 

r(return)は資本収益率で、g(growth)は経済成長率のことです。

 

詳しい説明はカットしますが、要するに頑張って働いても資本から得られるお金のほうが大きいですよ、ということ。

 

労働者が働こうが、資本家が寝たままで入ってくるお金のほうが大きいわけです。

 

格差についてたった1つの式で説明し、世界に衝撃を与えました。

 

日本経済に対しては、高齢者ではなく若者にお金を配るべき、という旨の発言をピケティがしてしまったためか、日本のマスコミからすっかり嫌われてしまい取り上げられる機会は少ないですが。

 

21世紀の資本

21世紀の資本

 

 

特に、アメリカではここ30年ほどで格差拡大が激しいと彼は指摘しております。

 

しかし、格差拡大については資本主義経済が発達した現代だけの問題ではありません。

 

金や資本が下から上に流れるのは普遍の法則と言っていいでしょう。

 

水が上から下に流れるように。

 

 

平安時代における格差拡大

 

過去にも格差拡大はありました。

 

例として、平安時代の日本を取り上げましょう。

 

藤原時平という人物が格差是正に取り組んでおりました。

 

彼の政治家の業績についてはほとんど語られることはなく、菅原道真を嵌めて左遷させたことで後に雷神道真に呪い殺されたというエピソードで有名な人物です。

 

当時の権力者である藤原氏の当主でありながら、彼は格差是正に取り組んでたんですね。

 

当時は人口のほとんどが農民で、富=農地といってよいでしょう。

 

農作物の収穫後には余ったものが生じることもありますが、そこで遊んでしまう人と富を蓄える人で明暗が別れ、ここで資本家が生じるわけです。

 

産業革命後の資本家とは厳密には違いますが、便宜上資本家としておきます。

 

朝廷(=政府)としては、きっちり税金を納めてもらわなければなりませんので、どこが誰の耕作地なのかはっきりさせておきたいわけです。

 

個人が勝手にここは俺のものといわれちゃ困るんですね。

 

かといって、支給する農地を一律にしてしまうと新しく開墾するインセンティブが働かないという困った問題が起こります。

 

みなやる気をなくしてしまって共産主義経済が上手く行かないのと同じ理屈です。

 

そこで朝廷は自分で耕したぶんは一部自由にしてええよといったわけです。

 

その日食べるに困らなければOKと考える人もいれば、頑張って働く人もいるわけで、そうなると貧富の差が生じ始めます。

 

資本は時間が経つとともにどんどん膨れ上がり、広大な農地を雇った人で耕作させるという荘園経営を行う資本家も生まれました。

 

「班田制」や「墾田永年私財法」といった単語が日本史の教科書に登場しますが、細かいことは置いといてざっくりとこんな流れだったと捉えてもらえればOKです。

 

荘園は格差拡大を加速させ脱税の温床と化していきましたが、そこに初めてメスを入れたのが藤原時平です。

 

荘園で甘い汁を吸っている側にいながらそこに規制を設けようとしたわけです。

 

ヒール役だけではない側面もあるんですね。

 

ただ、当然周りの貴族の反発も強く、彼自身が呪いのせいかどうかは不明ですが早死してしまったため荘園改革は頓挫します。

 

重要なのは、資本主義経済が発達していなかった1000年以上前においても格差は時間経過とともにどんどん大きくなっていったということです。

 

r>gがここでも成立してたと言っていいでしょう。

 

 

貧富の差はなくならないから資本を作ろう

 

大昔の話も出しましたが、資本は時間経過でどんどん膨れ上がって格差はどんどん拡大するのは1000年以上も続いているわけです。

 

ベーシックインカムごときでなくなるわけないじゃないですか。

 

水が上から下に流れるのに逆らってはいけないわけです。

 

それは仕方ないものとして受け入れて自分に何ができるかが重要です。

 

地味で面白みのない話ですが、資本を蓄えるのが答えです。

 

小さな資本もコツコツと積み上げていけば将来はいずれ大きなものになります。

 

資本といっても時代によって移り変わっていきます。

 

藤原時平の時代には農地でしたし、産業革命の時代には機械や工場でした。

 

現代は資本と言えばビルや金融資産のことを主に指します。

 

社会の仕組みによって将来は今とは違う形の資本となるかもしれませんが、誰もが平等な世の中はやってきません。

 

新たな資本で新たな格差がつくだけの話です。

 

その日暮らしさえできれば良くてまとまったお金が入ってくるとパーッと散財する怠惰な人間はいつまで経っても資本を蓄積できません。

 

 

資本には、「金融資本」「人的資本」「社会資本」の3つがあると、橘玲氏は指摘しております。

 

株だけが資本というわけじゃないということです。

 

将来は具体的にどういった資本が重要視されるのかはわかりませんが、我々にできることはコツコツと積み重ねていくことだけです。

 

完全に余談ですが、Twitterのフォロワー数が資本になるかどうかは置いといて、当アカウント(@shameofirongate)は開設してからはしばらく閑古鳥が鳴いておりましたが、フォロワーが100人をこえたあたりからトントン拍子で増えていきました。

 

影響力が影響力を呼び、ここでもr>gは成立してるんだなと実感しました。