QOLのため時間とお金が欲しい医者

アーリーリタイア、FIREを達成して趣味として仕事を

前提条件なくして成功なし

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Photo by NeONBRAND on Unsplash

 

 

世の中には成功のハウツーがあふれていますが、実際に自分が使ってみて成功するかどうかは別問題です。

 

というのも、そのハウツーを教えてくれる人と自分とは別人という身も蓋もない事実があるからです。

 

かといって、あの人だからできたことだ、といって斜に構えるだけでは進歩がありませんから、前提条件を確認して上手く利用していきましょう。

 

 

 

 

 

ただ当てはめればいいってもんじゃないEBM

 

医師は医学部在学中や卒業後に上級医からの指導を受けるため、実際に使いこなせるかは別としてEBM(evidence-based medicine)を知っているかと思われますが、この考えは人生においても重要でしょう。

 

EBMでは文献を読んで実際の患者に当てはめていくわけですが、何でもかんでもその文献通りにしていけばいいわけじゃありません。

 

目の前の患者は他の病気を抱えていてその治療を行うことでそっちが悪くなる可能性もありますし、人手やコストがかかる治療法の場合は今の勤務先で行うのが非現実的な可能性もあります。

 

そして何よりも患者自身の意向もあり、苦しむくらいなら積極的な治療は受けたくないと考えている場合もあるわけです。

 

ブランド人になるには勤務先が重要

 

 

 

少し前から副業や働き方改革がもてはやされ、その流れの中で会社組織で頑張ることがバカにされる風潮も生まれたわけですが、田端信太郎氏は会社組織で働くことも捨てたもんじゃないという趣旨の本を上梓しました。

 

詳細は著書を読んでもらうとして、

 

・1人のフリーランスではできることが限られているが会社で何人も協力して仕事すればもっと大きなことができる

・自営だと失敗した時のリスクは全部自分で背負わなければならないが会社員なら会社が損失を被ってくれるからノーリスク

 

このような主張を行っております。

 

が、日本の多くの会社でリスクをガンガンとって大きな仕事しようとすれば当然潰されてしまいます。

 

そういった大多数の会社では新しい仕事を生み出すことが期待されていないからなんですよね。

 

これまでと同じように納品し、マニュアル通りにサービスすることしか求められておりません。

 

仮にイノベーションを起こして成功したとしても、給料が上がらないどころか前例を破ったとして処罰の対象となる可能性もありますし、表面上はトラブルなく終わっても自分のポストを脅かされると感じた上司や同僚から潰されることもありうるわけです。

 

田端信太郎氏の経歴に着目すると転職を繰り返しており、特にリクルートを経由している点は重要です。

 

出身者の起業家が多くいることが示すように、リクルートにいるとリスクを取って大きな仕事にトライできる可能性が他の日本企業と比べて高いと言えます。

 

ですから、彼のハウツーが自分にも当てはまるかどうかを考える際にはそこに着目しなければなりません。

 

自分が今勤めている会社が、リスク覚悟で社員を成長させる大きな仕事をやらせてくれる企業じゃなければ、彼の本に書いてあることをそのまま実行しても潰されるだけです。

 

リクルートのような会社は日本では少数派なので、多くの読者が最初にやるべきことは転職となります。

 

田端信太郎氏は何度も転職を行っており、彼の中では転職することが当たり前になっているせいか、例の著書の中では転職の重要性には触れられておりません。

 

ピュアな読者がそのまま実行したらとんでもないことになるわけなので前提条件はとても大切です。

 

 

時には必要となる押し売り

 

また、多くある営業本についても前提条件が重要です。

 

何冊もあるため具体的な例は挙げませんが、営業は押し売りではなく売り出す商品の良さを深く理解して相手に合わせて説明することが大切ですよ、ということはよく書かれております。

 

しかし、その商品がコモディティ化したもので他社製品とほぼ同じ場合は話が別です。

 

例えば、投資商品ではA証券とB証券で差がつくわけではないため、押しの強い営業マンじゃないと数字をあげることができません。

 

差別化された商品を扱っておらず詐欺まがいの押し売りも横行してる状況の中で本当に顧客のためを思って仕事していたらクビになりかねません。

 

ここを理解せず本に書いてあることを真に受けてはいけません。

 

押し売りが嫌で営業本に書いてあるようなことをしたければまず転職しなければなりません。

 

voicy.jp

 

こちらのラジオではゆるい営業をやるには、化学メーカーの営業を推奨しておりますが、扱っている商品が他社製品と差別化されているため、押し売りではなく商品のことを深く理解して良さをアピールするにはうってつけです。

 

営業の前提条件について触れられているのは、ラジオ配信者が新卒で証券会社に就職してその後ゆるふわ企業でルート営業していたからでしょう。

 

もし証券会社一筋で仕事していれば、営業とは押して押して押しまくって数字をあげることと考える営業マンが生み出されることでしょう。

 

まとめ

 

ノウハウやハウツーには前提条件があるわけですが、そこを無視すると大失敗して机上の空論じゃねーかよと著者に八つ当たりすることになりかねません。

 

もちろんそのハウツーが間違ってる可能性もありますが、ハウツー自体は正しいのに前提条件を無視したばかりにダメになったとしたら実にもったいないことです。

 

実際に社会に出れば理論通りにいかないことが多々あって前提条件について考えるようになる人もいますが、前提条件に関心が向かないために理論そのものを軽んじる人もいるわけです。

 

前提条件を意識して理論を使いこなす人と理論を軽んじる人のどちらが成功するかは明白です。

 

常識という言葉がありますが、所詮はそれまでにその人の人生の中で経験したものの積み重ねに過ぎず人それぞれです。

 

人生の中でもっと前提条件を大切にしたいものですね。