副業もFIREムーブメントもただの循環相場なのかもしれない
以前、ビジネスには旬があるという話をしましたが、財テクそのものにも同じことが言えるのではないかという話です。
qoltimeandmoney.hatenablog.com
金融資産を増やす方法としては色々ありますが、本業の収入を増やす、副業する、節約する、投資する、といったあたりでしょうか。
過去を振り返ればその時その時のトレンドがあり、2019年の現在は副業が一大ブームとなっておりますがこれも一時的なものなのかもしれません。
2019年から財テクのブームを振り返ってみる
財テクについて現在から過去に向かって行きますと、FIREムーブメントの記事がギズモード・ジャパンで和訳されて広がり始めたのが2018年11月です。
その少し前から広がり始めたのが副業ブームであり、今全盛期を迎えているのはこれでしょう。
働き方改革をスローガンに政府としても副業を推進する流れが生まれ、厚生労働省が副業・兼業に関するガイドラインを作成したのは2018年1月です。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf
商品を持ちましょう、というメッセージを強く打ち出して自分自身でビジネスモデルを持つことを推奨するサウザーラジオがVoicyで始まったのは2018年3月です。これもカテゴリーとしては副業に入るものでしょう。
面白いことに、この時期は仮想通貨ブームが峠を越えた頃でした。
CoincheckがハッキングされNEM流出した事件が2018年1月で、仮想通貨相場はハッキング事件までは高値圏で乱高下し、事件後は坂を転げ落ちるように暴落していきました。
ここのところは盛り返していますが、ビットコインの価格は最大で240万円だったのが30万円台にまで低下し、仮想通貨の種類によっては1%以下に暴落したものもあります。
仮想通貨ブームの時期は仮想通貨の話ばかりだったイケダハヤト氏も仮想通貨関連の話がめっきり減ってしまいました。
そして、その少し前はなんと言っても2017年の仮想通貨ブームでしょう。
含み益で一億円達成した者である「億り人」という単語もよく使われました。
仮想通貨アフィリエイトで巨万の富を築いた者も現れ、仮想通貨関連の本も雨後の筍の如く出版されました(もっとも出版までにラグがあったため書籍は売れてないようですが)。
先ほど触れたイケダハヤト氏も仮想通貨アフィリエイトを積極的にやっておりました。
さらに時代を遡っていくと、本業の収入を増やすという方法もブームになりました。
象徴的なのは「カツマー」ブームでしょう。
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勉強法や時間術を習得して出世して本業の収入を増やそうとしたのがこの時期のブームで、勝間和代氏はベストセラー作家となりました。
しかし、これも一過性のブームに過ぎず、末期には編集者の暴走としか思えない勝間本も出版されることとなりました。
ここまで本業の収入を増やす、副業する、節約する、投資する、全てのパターンの財テクブームを紹介してきましたが、ブームが繰り返されている事実にも軽く触れておきましょう。
副業については、21世紀に入った頃にアフィリエイトのA8.netが始まり、この時期にはアフィリエイトやメルマガで収益を上げることがブームになりました。
節約については、FIREムーブメントという単語が一般的になる遥か前に森永卓郎氏の節約本がブームになりまりました。年収300万円でも大丈夫というのがそれです。
年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!
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投資についてもIPO株やスワップポイントがブームになった時期がありました。
色々やっても実際はそう上手くは行かない
大衆はその時その時のブームに飛びつきますが、悲しいことにほとんどの人は富裕層になれません。
日本の企業では勉強して仕事で成果を出しても本業の収入は雀の涙ほどの手当やボーナスしか増えず、出世が早くなるわけではありません。勝間和代氏は外資系に勤務していたのを忘れてはいけません。
日本の企業で頑張っても、早く仕事が終わって残業代が減ったり、遅い人の仕事を割り振られるだけでロクなことがありません。
節約についても普通の人は長続きしません。ダイエットやっても長続きせずリバウンドするのと同じようなもので、FIREを成し遂げるほどの貯蓄をし続けるには並々ならぬ精神力が要求されます。
投資もそう簡単に上手くいくものではありません。
年利5%程度を長期的に続けるのは現実的なプランですが、その方法を5年10年程度続けたところでたいした資産になりません。
億り人になるには相当な額を積み立てなければ達成できません。金がないから財テクに走ってるわけであって本末転倒じゃないでしょうか。
となると、少ない元で資産を築くには個別株で何倍にもなる銘柄を狙うなどの投機的な方法になります。
が、成功を後付するのは簡単であり、資産を何倍にもできた人でも運のおかげで成し遂げられた可能性が高く、再現性は低いと言わざるを得ません。
1024人集めればジャンケンで10連勝する「ジャンケンの達人」が必ず生まれますし、相場の世界ではプレイヤーがもっと多いので達人がそこら中で溢れています。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
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いくら高度な知識を持つ専門職であっても長期的に利益を出し続けるのは難しいことが「ウォール街のランダム・ウォーカー」に詳しく抱えれており、過去記事でも少し詳しく触れております。
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自分でビジネスを立ち上げることについてもそう簡単ではありません。
数でいうと成功より失敗例のほうが多いわけで、そこをめげずにトライし続けられる人はそう多くないでしょう。
ブームは繰り返される
まとめますと、財テクには色々種類はありますが実際にはそう簡単には行かないので、次々とブームは移り変わっていきます。
しかも、プレイヤーが同じなのか入れ替わってるのかはわかりませんが、似たようなものが繰り返されます。
とある投資商品が高騰してその次に別のものが高騰する連鎖が続く、まるで循環相場のようです。
今全盛期を迎えている副業ブームはいずれ終わり、その次にはおそらく節約ブームや勉強して本業の収入を上げるブームがやってくるでしょう。
投資については仮想通貨で痛い目に遭った人が多いからしばらくは来ないでしょうね。